九高の四季

ブログの噺

「グラウンド」

 久しぶりの噺です。皆様、いかがお過ごしでしたか。

  今年の体育祭は練習の段階から本番まで、まったく天候状態に悩まされることのないものでした。

 「こんなことは、開校以来おそらく初めてのことでしょう」体育祭の開会式の校長挨拶でも触れられました。「半世紀に一度あるかないか」・・・こう言うと、大変歴史の重みが感じられる、貴重な事に思われます。

 我が国は、四季の折々の自然の変化の美しさが満喫できる一方、気候や天候の安定性に欠くという弱みもあり、日本気象協会の「職員レクレーション・ソフトボール大会及びその後のバーベキューパーティー」が雨天で延期になったという「不祥事」が、密かに揉み消されたというウワサのあるお国柄です。

 そんな気象的な「国難」の中、今年度は見事な体育祭日和でした。当日、青空には雲一つない、いえ、白い雲が少しだけしかない、いいや、かなり大きな雲が広がっていたか。・・・つまり、自然とはなかなか相手にするのが難しいものですが、とにかく空にある雲などまったく気にならないくらい、体育祭のための絶好の晴天の一日でした。

 来校される保護者の皆様の数も年々多くなっていることが感じられ、グラウンド正面に張り巡らされたテントの中はもとより、キャンパス内のグラウンドを見下ろすことができる場所にも、ぎっしり人がいっぱいでした。

 昼休み前、職員室に戻ろうとした時、「先生」と呼びかけられて、声の方を向くと、「ご子息」が現在3年生に在籍する、本校卒業生でもある「お父さん」でした。愛嬌のある目元に、高校生の時の面影が残っています。ウワサに聞いていたので、「メモリー」を検索することなく、瞬時に誰か分かりました。

 「よく来てくれたね」「息子が入学して初めてなんですけれど、最後の高校の体育祭を見ようと思ってきました」「ずいぶん学校の様子も変わっただろ」「そうですね。もう卒業してから30年経ちますから」

 30年と聞いて、時間の経過の早さに驚きながら、「天候に悩まされない体育祭」の奇跡的なありがたさ(古文で「めったにないこと」)を思いました。

 「もう30年経ったら、雲の上から見下ろしているかもしれないな」こう言うと、「卒業生のお父さん」が励ましてくれました。

 「大丈夫ですよ。まだ先生はグラウンド(地上)にいますから」

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