九高の四季

ブログの噺

「サンドイッチ」

 職員室である先生が、昼食にサンドイッチを食べながら、隣の机の先生に言いました。

 「昨日、先生がサンドイッチを食べているのを見て『おいしそうだなあ。明日、必ずサンドイッチを食べよう』と考えていたんです」「頭に浮かんだ考えを覚えていて、次の日にそれを確実に実行するというのはすごいですねえ」「そうですか。まあ、ちょっとした『自己実現』を果たしただけですけどね」

 さすが進路指導部の先生です。いつも生徒に指導していることを、ごく身近なことで実践したのでしょう。

 「ちょっと身近過ぎる自己実現だけどなあ・・・」その後、先生はこんな「自己反省」も忘れませんでした。

 そういえば、台風が九州に上陸しそうになった時にも、その先生はこうつぶやいて、教育に対する意識の高さを示していました。

 「うーん。週末に九州をかすめるのか。部活の練習試合もあるのに困るなあ。台風にも進路指導をしたいくらいだ」

 その後、その先生が教室に行くと、生徒達が志望大学の選択について会話をしていました。

 「やっぱり大学の志望を決めるって、なかなか難しいよね」「そりゃね、通学範囲とか入試の難易度とか、考える材料となる諸条件があるけど、絞り込むのは簡単じゃないな」「いろいろ検討して、様々な条件をクリアーした上で、『ここらあたりの大学を受けるか』って考えるしかないのかなあ・・・」

 これを聞いて、先生は生徒にアドバイスしました。

 「進路の選択は、もっと主体的な意志で選ばないといけないよ」「でも、それってどうしたらいいんですか」「そうだね。やっぱり自分の将来の夢の実現を中心に考えるべきかな」「でも、夢を実現することって、とても大変ですよね」「それはそうだけど、そこが一番肝心なんだよ。自己実現のため、日々の努力を積み重ねる。たとえば身近な例でいえば、隣の人が食べているサンドイッチがおいしそうだなあと思ったら、明日、必ず食べるぞと決心して、それに向かってひたすら意志を保ち、確実に実行することだよ」「・・・・・・?」「ひとつひとつの小さなことの積み重ねが大切だからね」

 先生の力強いアドバイスの陰に隠れたちょっとした経緯を、生徒はまったく知りませんでした。

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