九高の四季

九高の四季

2017年10月の記事

  • 2017年10月19日ブログの噺

    「現役引退」

     ある先生が廊下を歩いていると、去年担任をしていたクラスの生徒から声がかかりました。

     「先生、お元気ですか?今年のクラスはどうですか」「うん。まあ去年と比べれば、ずいぶん大人しいね。パワーでいうと70%くらいかな」「ちょっと落ちついたクラスっていうことですか」「そうだね。キミがいない分ね」「そんな!いくらなんでも、一人で30%分のエネルギーを放出することは無理ですよ」「まあ、それはそうだな」

     その生徒との会話の後しばらくして、先生はこんなことを思いました。

     (現在担任をしている自分のクラスの生徒と比べれば、以前のクラスの生徒って、ずいぶんカジュアルな感じで話ができるもんだなあ・・・)

     確かに去年、あるいは一昨年にクラス担任をしていた生徒に会うと、交わす会話や接する態度に、「ホームルーム時代」と比べると、格段に違う気安さがあります。同じ学校の中で、以前と同様に「生徒」と「先生」という関係にありながらも、ずいぶん気楽な感じがするのはなぜでしょうか。

     もちろん自分の学校の生徒として、真剣に指導し育てるという気持ちがなくなったわけではないのですが、「クラス」という直接の責任がなくなった分、少々「甘やかしたり」「甘えたり」という、ややイージーな人間関係が双方に生まれるのかもしれません。

    「もしかしたら、担任を父母のレベルだとすると、クラス外の生徒には親戚のオジさんのレベルで接しているのかもしれないなあ・・・」

     具体的にいえば、欠席した生徒の指導にしてもそうです。

     「昨日の欠席はどうした?」「まあ、ちょっと事情(わけ)がありまして」「そうか。それはしかたがないなあ・・・」

     「クラス担任」としては「ありえない」ほど、さらりとしたやり取りです。元クラス担任の場合だと、状況によってはこんな風に「融和的」になってしまう恐れもあります。

     「生徒と接する時、『親戚のオジさん』ならばまだいいけど、もし生徒がマゴに見えてきたら、これはちょっとね・・・」

     ふと、先生の脳裏に「現役引退」という言葉がちらっと浮かびました。

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