九高の四季

九高の四季

2016年11月の記事

  • 2016年11月17日ブログの噺

    「校長の机」

     ある午後のことです。ある体育の先生が、職員室の校長先生の机で書類を記入していると、営業で来校した書籍会社の人がその姿を目にして、そっと寄って来て話しかけました。

     「こんにちは」「こんにちは」「・・・校長先生でいらっしゃいますか?」「いえ・・・。あの、決してそのようなものでは・・・」

     するとその時、会社の人は、校長先生がわざと冗談を言ったと思ったようです。先生がイスにどっしりと座り、あまりにも平然とした様子で仕事をしていたからでしょう。

     そこで先生は、あわてて言いました。

     「すみません。ちょっと書くものがあったので、校長先生の机をお借りしていただけなんです」「あーら。そうでしたか」

     よく見ると先生は授業用のジャージ姿で、しかも胸には、「スーパーマン」のマークくらいの大きさの「ア〇ッ×ス」の商標がついたトレーナーを着ていました。

     「すみません。つい間違えてしまいまして、大変失礼致しました」「いいえ。こちらこそ失礼しました」

     学校で校長と「間違えること・間違えられること」は別に、「失礼」の範疇には入らないと思われますが、ある意味では「事故」だったのでしょう。

     2人の間でぎこちないやり取りが交わされていると、職員室の遠くに校長先生の姿が見えました。先生はその方向を見て言いました。

     「あっ、あちらがホンモノです」

      書籍会社の人はさらに恐縮しています。「本当に大変失礼致しました」「いいえ。こちらこそ」

     しばらくして先生は、誤解を生じさせたことに対してまったく反省する様子もなく、こう呟きました。

     「うーん。やっぱり校長先生に、『ア〇ッ×ス』のマーク入りの上着を着てもらわんといかんなあ・・・」

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