九高の四季

九高の四季

2016年5月の記事

  • 2016年05月26日ブログの噺

    「鵜飼い」

     先生たちの健康診断が、一年に一度行われます。生徒だけではなく先生も健康を維持することが、健全な学校現場では絶対に不可欠なことなのです。

     健康診断が終った後、職員室でベテランの先生によって、こんな会話が交わされました。

     「別に体の調子は悪くないけど、去年に比べて体重が減っていたなあ。老木がだんだん枯れてきているみたいだ。身長も徐々に縮むし」「僕もね、昨年の測定よりも、ウエストが3センチ細くなっていたよ」「普通は太るはずなんだけど、やっぱり毎日の激務のせいかなあ」「うーん。どうだろうね・・・」

     偶然これを聞いていた、「ダイエット効果」が現れた先生たちが所属している、学年主任の先生が言いました。

     「先生たちには申し訳ないんですけど、最近、僕はだんだん体重が増えているんですよね」。ちなみに、学年主任は担任のクラスがありません。いうなれば、学年の「担任の先生の担任」のような役割です。

     「うーん。頭脳労働と肉体労働の差かなあ」「クラス担任は頭と体と両方のエネルギーが必要だしね」「学年のために、やっぱり重労働しているのが利いているのかなあ」「確かにご苦労をかけていますけど」と、年下の学年主任の先生も困惑気味です。

     ベテランの担任の先生が続けて言いました。

     「たとえば学年主任が『鵜匠』だとすると、クラス担任の僕らは、魚を取ってくわえてもってくる鵜みたいな仕事をしているかも」「それではやっぱり痩せてしまうよ」「『鵜飼い』って、首にヒモみたいなのを結び付けられて、ノドにためた魚を吐き出させる漁だよね」「時には魚を飲み込みたいときがあるだろうけど、自分勝手に飲み込めないからストレスもたまるだろうし・・・」。 

     話は学年主任の先生に不利な方向に進んでいるようです。

     「教室で生徒の相手をしていると疲れてぐっすり眠れるけど、夜中に思い出して目が覚めるのか、ガバッと体を起こすことがあるからなあ」「それはあるねえ」

     会話はさらにクラスの状況に及びました。

     「当然クラス担任として『鵜匠』の役割をしているつもりだけど、鵜である生徒が好き勝手にやるから、ヒモで引っ張られて船があらぬ方向に行ってしまうことがあるね。この前なんか、あやうく転覆しそうになったよ」「しかも鵜の数がやたらと多いからねえ」「とても鮎を吐き出させるどころじゃないなあ・・・」

     傍らでこの会話を聞いていた、別の先生がぽつりとつぶやきました。

     「この学校は長良川か・・・」

     

  • 2016年05月13日生徒会活動

    『九高かわらばん』第3号が出来上がりました!

    【1年生、年間クラス目標決定!!】

    今回の『九高かわらばん』では・・・

    4月12日~14日に行われた宿泊研修で

    担任の先生とクラス全員で話し合って決めた、1年間のクラス目標をまとめてみました。

    これから、全校生徒で九州高校を盛り上げていきましょう。

  • 2016年05月12日ブログの噺

    「緊急救命講習」

     この「噺」も6年目になりました。スタート当初は1週間に2回、ここ数年は1週間に1回更新していましたが、今年度は月に2回程度更新し、少々ディープな話題をお届けすることを目指したいと思います

      先日、2年生を対象に、専門学校の先生と学生の皆さんの指導により、「緊急救命講習」が行われました。

     全体に対して、応急手当の重要性が説明された後、体育館いっぱい20グループに分かれ、講習が開始されます。

     生徒たちが、指導の学生さんを車座で取り囲みました。指導者は数名を除いてほとんど男子学生です。男女別々にグループは編成されていますが、単純な観察によれば、男子よりも、やはり女子生徒を相手にする指導者のほうが、モティベーションが高そうでした。指導する身振り手振りも大きく、そして口調も、爽やかなやる気に満ちています。

    「それはやっぱりそうだろうな・・・」。思わず、何十年も昔の高校時代の、男子クラスの盛り上がらないクラスマッチや体育祭のフォークダンスが胸をよぎりました。

     講習は道に倒れている人の発見から始まり、先ず指導者がお手本を示します

     「傷病者発見!」「しょうぼうしゃ?」と生徒。「違う、違う!しょうびょうしゃだよ。ケガや病気で倒れている人のこと」「初めて聞く英語なもんで」「日本語!」

     指導者もなかなか大変です。さらにこれにいろいろな手順が加わります。

     「もしもし大丈夫ですか!」と反応の確認。「誰か助けて下さい!」と周囲に助けを求め、さらに「119番をお願いします」

     お手本に習って、生徒たちが順番に講習内容の練習を開始しました。

     女子グループは真剣に講習に取り組んでいますが、一方男子グループの中には、コントのような状況にオーバーアクションでワルノリを始めるものも出現しました。

     「ショウビョウシャ発見!誰か助けてください!!119番をお願いします!!」

     「傷病者発見」の想定で盛り上がり、なぜか担任の先生の名前を連呼し始めるグループもいます。

     その大騒ぎを見ていると、担任はこう叫びたい気分になりました。 

     「誰か助けて下さい!110番をお願いします!!」

     それから、胸骨圧迫の講習です。人形の胸の真ん中を「強く、速く、絶え間なく」押す心肺蘇生法の実習が始まりました。

     「やり方を間違えると、肋骨を骨折させることあるから注意して下さい」「ふーん。そうなのか」「できるだけ中断しないことが大事なんですよ」「効果がでるまで、やるんですね」「だけどね、とどめを刺したらだめだぞ」。よく聞くと、とんでもないコメントが飛び交っています。

     最後はAEDの使用についての講習でした。機器の電源を入れ、人形にパッドを貼り、AEDのメッセージに従います。

     『解析中です。離れてください』とAEDの指示。「離れろ、離れろ!」と生徒。『ショックが必要です。充電中です。離れてください』「離れろ、離れろ、感電するぞ!」

     妙に緊張感を覚えて、見ているだけで、AEDを使用されているような気分になりました。

     『ショックボタンが必要です』「ついに電気ショックが炸裂!!」。生徒が叫ぶのを聞いて、しみじみと先生がつぶやきました。「いろいろな意味で、別のショックが必要かもしれないなあ・・・」

      講習は3時間に及び、参加者全員がへとへとに疲れながらも、大変充実した有意義な講習でした。

      担任の先生もやれやれという表情です。若手の先生からこう話しかけられました。

     「講習の内容だけでなく、生徒の動向を知るうえでも、意味深い講習でしたね」「そうだね。こっちの方が時々、心肺蘇生法が必要になりそうだったけど・・・」

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