九高の四季

九高の四季

2011年の記事

  • 2011年12月31日教育雑感

    島津日新公いろは歌より7

    『島津いろは歌』

    私を捨てて君にしむかわねば うらみも起こり述懐もあり

    (意味)
    君に仕えるには全く一身をささげて我を捨てなければ、恨みも起こり不平不満もでる。

    「滅私奉公」という言葉があります。「滅私」は私利私欲を捨てること。「奉公」は国や社会などの公、または、主人や主君・上位の者などに自分の身をささげて尽くすことです。今ではこのような精神を掲げることすら、ナンセンスだと笑われてしまうようになりました。「滅私奉公」という言葉はナンセンスに響くかもしれませんが、「自分を犠牲にしてでも他のために尽くすのこと」は決して無意味なことではありません。それどころか人間として非常に崇高な実践項目なのです。この言葉を実践するには、非常に深い哲学と修練が求められます。“私利私欲を捨てる”ということでさえも、今の世の中できちんと実践されているかどうか首をかしげることが多くなった現代だからこそ、「滅私奉公」の精神を大切にしなければならないのではないかと考えます。

  • 2011年12月30日教育雑感

    島津日新公いろは歌より6

    『島津いろは歌』

    善きあしき人の上にて身をみがけ 友はかがみとなるものぞかし

    (意味)
    人は自分の行いの良し悪しを知ることは難しいが、他人の行いの善悪はすぐに目に付く。日ごろ交わる友人を見て良いことはこれを見習い、悪いことは反省せよ。

    『人の振り見て我が振り直せ』という日本のことわざはご存知でしょう。他人のやっている動作や態度で好ましくないと感じたら、その相手をとがめる前に、自分は他人に対して同じようなことをしていないか、他人の行動を自分のこととして省みる必要があります。島津いろは歌では、友人をその鏡とすることをすすめていますが、切磋琢磨できる友人がいることは、この上もなくすばらしいことですね。

  • 2011年12月29日教育雑感

    島津日新公いろは歌より5

    『島津いろは歌』

    学問はあしたの潮のひるまにも なみのよるこそなおしずかなれ

    (意味)
    学問をするには朝も昼も間断なく修めなければならない。
    夜が一番いい。

    昔も今も学問の大切さは、変わりありません。いつの世でも“寸暇を惜しんで勉強する”覚悟が必要なのですね。島津いろは歌では学問は「夜」に実施するのがが一番いいと説いていますが、夜中遅くまで勉強することはあまりよいことではありません。昼間に頭が冴えるように生活のリズムを整えることをお勧めします。夜中に勉強のピークを持ってくると夜中に頭が冴えるようになります。しかし、定期考査や入学試験が夜中に実施されることは決してないのです。どうしても勉強時間を確保したいのであれば、遅くまで起きて勉強するよりも、早く寝て早起きして勉強することがベターです。

  • 2011年12月28日未分類

    島津日新公いろは歌より4

    『島津いろは歌』

    小車のわが悪業にひかされて つとむる道をうしと見るらむ

    (意味)
    人はおのおのその職分を守り、人たる道を尽くして行くのであるから、忠実にまじめにその業に務めるべきである。

    人には与えられた天分というものがあります。天分とは「生まれつきの性質・才能」、「天から与えられた身分・職分」のことで、この与えられた天分にしたがって、誠実に生き抜くことが人間の使命でもあるのです。このことがしっかりと自覚できれば、人間社会の様々なできごとに一喜一憂することはありません。世の中のことに不平や不満を抱くのは、まだまだ自分の天分を自覚していないということでしょうか。

  • 2011年12月27日未分類

    島津日新公いろは歌より3

    『島津いろは歌』

    流通すと貴人や君が物語り はじめて聞ける顔もちぞよき

    (意味)
    たとえ自分がよく知っていることでも目上の人の話は、初めて聞くという顔で聞くのがいい。

    人の話を聞くことは難しいものです。つい相手が知っていることを話しはじめると、「そんなこと知っている」と反発したくなるもの!しかし、相手の話をきくからこそ、コミュニケーションが成立することを忘れてはなりません。話の聞き上手な人は、相手の目を見て話を聞くそうです。そう言えば九高しぐさの中にも“話は目で聞く”というしぐさがありましたね。

  • 2011年12月26日教育雑感

    島津日新公いろは歌より2

    『島津いろは歌』

    ぬす人はよそより入ると思うかや 耳目の門に戸ざしよくせよ

    (意味)
    盗人は他所から入ってくると思っているかもしれないが、本当の意味での盗人は耳や目から入ってくるものだ。目や耳によく戸締りをせよ。

    我々は目や耳から入る情報によくよく注意しなければなりません。根拠のないうわさ、誹謗・中傷、その他情報化社会で我々を惑わすものは、ほとんど目や耳から入る情報なのです。我々は情報に惑わされることのない良知良能(人間が先天的にもっている知恵と才能)を常に磨かなければなりません。心の鏡を磨き続けてあらゆる誘惑を退けましょう。

  • 2011年12月24日教育雑感

    島津日新公いろは歌より

    『島津いろは歌』

     理も法もたたぬ世ぜとてひきやすき 心の駒の行くにまかすな

    (意味)
    道理が通らず法も行われない乱世であっても、自分ひとりは正道をふんで克己心を奮い起こして正義と人道を守り通せ。
    自分の心の向くままに自暴自棄になって勝って放題するものではない。

    『わが道を行く』しかも『正しい道を歩む』ことの重要さを説いた歌です。“どんな時にも正義と人の道を守る生き方”を心がける!当たり前のことのようですが、人生は『わが道を正しく歩む』難しさを感じることの方が多いように思います。

  • 2011年12月24日教育雑感

    感謝

     アメリカの作家ワイルダーの演劇 'OUR TOWN'で、二十歳の若さで死んでしまう主人公の若い女性が、死者の世界へ旅立つときに、次のような台詞を語ります。

    「わたしは気がつかなかった。あんなに素晴らしかったのに。時を刻む時計の音、ママが育てたヒマワリ、あったかいお風呂のにおい、アイロンをかけたばかりのドレス、・・・それらがどんなに素晴らしいものだったのかって・・・」

     人はたいてい失って初めて持っていたものの価値に気づきます。大切なことは、いま持っているものに感謝すること、いまの自分の境遇に感謝すること!そしていま自分にできることに向かって一歩を踏み出しましょう。

  • 2011年12月22日ブログの噺

    「養成所?」

     本日二学期の終業式です。本校では、アルバイトは原則的に禁止ですが、家庭の事情を考慮して許可している場合があります。職員室で、季節柄、年始年末に神社でアルバイトをする女子生徒についての話題が聞こえて来ました。「神社の巫女さんのアルバイトの仕事にうってつけだと、うちの女子生徒は評判いいらしいですよ」「礼儀正しくてマナーが良いからですか」「それもあるみたいですけど、眉に手を加えたり、耳にピアスの穴を開けないように日頃から生活指導を厳しくしているので、そういう点でも『服務規程』に適っているみたいです。まさに、即戦力として評価されているようですよ」「日頃のご利益(ごりやく)があったというところですかねぇ」「ある神社の巫女さんのバイトの応募に合格して、不採用になった他校生から、『あんたの学校って、まるで巫女の養成所みたいじゃない』って、やっかむように言われた生徒もいるらしいですよ」。

    *「ブログの噺」は、今回をもちまして終了させて頂きます。長い間ご愛読ありがとうございました。コンピュータの向こう側で「え――っ!」「うそ――っ!いや――っ!!」という声が聞こえた気がしました。ありがとうございます。そこで正確に言いなおしますと、年内の「ブログの噺」は、今回をもちまして終了です。新年は1月6日(金)より再開致します。この冬休み、凧揚げや獅子舞の興行をしながら、必死に充電致します。良いお年をお迎え下さい。

  • 2011年12月21日ブログの噺

    「保護者会の日程II」

    「それでは、今から日程の希望を記入する表を貼ります」。こう宣言して掲示を終えたら、事態は出たとこ勝負の、成り行きまかせにするしかありません。どどっと、生徒たちが表に向って押し寄せて来ます。「キャーっ!」「いやーん!」「こわーい!」。この場におよんでも、カワイサを強調する女子生徒もいますが、それでもペンをしっかり握っています。「あっ、そこに私が名前を書こうと思っていたのにぃ!」「遅いわよ!」。威嚇や躊躇や牽制が乱れ飛ぶ、人生劇場における葛藤の縮図が、眼前に展開されます。「ゴリゴリゴリ」「ガリガリ」。教室にシャープペンシルやボールペンの、無機質的な乾いた音が響きます。
     ボディチェックを恐れケガをしないようにその場を離れて様子をうかがいながら、エサに群がる池の鯉、いや、バーゲンセールに群がる、人生における円熟期にある、日本の淑女の皆様のお姿を連想しました。「うーん。この調子で成長すれば、日本の女性のパワー溢れる伝統は、彼女たちが大人になっても廃れず、きちんと受け継がれるのだろうなぁ・・・」。
     目を別の方向に向けると、ほとんどの男子生徒は落ち着いて座っています。こんな状況においても、「レディファースト」を守り、とても紳士的な様子です。「うーん。『大人しい』というのは、こういう状況から生まれた形容詞だろうなぁ・・・」。しみじみ、日本語の語源を噛み締めました。こうして決定したスケジュールによる保護者会が、終業式の日まで続きます。しかしながら、一度日程が決まってしまえば、わりと穏やかな日々が待っているのです。

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